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北海道大学大学院工学研究科 「都市地域デザイン学研究室」の学生によるブログです。

2024.04.25
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2012.12.21
続いて、9月21日にはオーストリア南部、ハンガリーとの国境付近にあるギュッシングという地域を訪問しました。
これは、研究室の研究テーマの一つである「新エネルギーによる地域の自立」の先進事例としてヒアリングと現地調査のためです。
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この地域は1980年頃まで、産業が衰退しており、住民の7割は都心部に出稼ぎに出ていたほど疲弊した地域であり、オーストリアで最も貧しい地域と言われていました。
そこで、地域外へ流出していたエネルギーへの支出を抑え、地域内でエネルギーを生産・活用する事で、地域内で経済や資源を循環しながら、地域の産業や雇用を創出し、地域の活性化や地域の自立を目指す取り組みを始めました。

具体的な取り組みとしては・・・
ギュッシング市では、市内にバイオマスプラントを建設しました。周辺の木材加工端材や林地残材を原料とした木質バイオマスによる熱、電気、ガスの生産を行っています。
ここで生産された熱は、公共施設や一般家庭に接続した総延長35kmの地下配管によって地域熱供給され、市内熱使用量の95%が自給されています。
これと同時に、バイオマスプラントの近郊に木材関連の工場を50社も誘致し、安定的な原料供給と熱利用を行う仕組みを確立しました。
このような一連の取り組みによって、エネルギー産業や林産業の雇用を生み出し、地域への定住を促進しました。
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隣のウルバースドルフ村という人口300人の小さな村では、住民で共同組合を立ち上げ、地域の木材と太陽熱を原料とした熱生産を行い、地域熱供給を行っています。このエネルギー施設は組合に加入する住民で管理し、原料調達も住民が仕事や副業として行っています。
これにより、家庭の高熱費は圧倒的に安くなり、雇用も創出するなど、疲弊した集落に大きな効果をもたらしました。

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その隣のシュトーレン村では、酪農・畜産業の廃業によって広大に残された遊休農地を活用して、牧草や穀物を生産し、それを原料とバイオガスの生産をしたり、先と同様に林地残材などを原料とした熱を生産し、地域内に供給しています。
ここでも同様に雇用が創出されたり、家庭の光熱費の軽減につながるほか、遊休農地の効果によって環境保全にもつながっています。
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こういった各地域における一連の取り組みによって、今まで域外に流出していたエネルギーにかかる支出は、エネルギー売買などにより、収入源となり、地域の大きな産業として確立しています。地域資源を有効に活用し、地域のエネルギー源にするほか、それを産業として活用したり、既存産業の活性化を図ったりと多方面に効果をつなげようとしている様子がうかがえました。


このような取り組みのサポートやエネルギー技術の研究、コーディネートをする機関である、ヨーロッパエコエネルギーセンターの方に意見交換や現場見学のお世話をしていただきました。
英語でのヒアリングや説明に戸惑いながらも、たくさん学ばせていただきました。
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イニシャルコストの問題や技術の問題など多くの課題はあるようですが、地域資源から新たな価値を生み出す姿勢や、地域が一体となって、環境を保全し、エネルギーを共有する姿勢は大変参考になりました。
北海道でこのような取り組みがそのまま適応できるわけではありませんが、このような仕組みや姿勢を参考にしながら、北海道版新エネルギーの活用による地域の自立を今後も検討していきたいです。

修士2年 林原
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2012.12.21
スイス編に引き続きまして、オーストリアでの調査研修の様子を紹介します!

9月19日チューリッヒからウィーンに到着し、この日はオペラ座でバレエ鑑賞をしました。
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本場オペラ座における生演奏とバレエに一同興奮しました。

そしてウィーンでの滞在は、アールヌーボーのアパートメント!!!
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お姫様みたいなお部屋にうかれました。

夜ご飯はウィーンの名物料理のウィナーシュニッツェルなど…
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翌20日はウィーンの建築を巡りました。
ウィーンは歴史的な建築から近代、現代の建築までさまざまな建築が混在する街でした。
歴史的な建築としてはシェーンブルン宮殿や世界一美しい建築と言われる国立図書館
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近代建築は、オーストリアの建築家であるオットーワグナーの建築を中心に見学しました。
郵便貯金局
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カールスプラッツ駅
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セセッション
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無駄のない装飾と、機能的な空間づくりをしながらも豊かな空間と外観を創り出しているように感じました。

その他はガウディの作品にも似たフンデルトヴァッサー邸なども・・・
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その後はホテルザッハーで本場のザッハトルテを堪能したり、街を歩き回りました。
ウィーンのまちは白〜クリーム色で彫刻の施された壁面がきれいに並んでいたまちなみが大変印象的でした。そんな中、再開発の最中であるガラス張りのウィーン中央駅があったりと、歴史的な街並の中に現代的なガラス張りのビルが所々で現れ、大都市としての風貌も見せていました。それがなぜが違和感なく馴染んでいる事が不思議でしたが・・・
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贅沢な旅が続いたので、この日は部屋のキッチンで自炊!
1人300円で済みました!旅には節約が大事です。
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ウィーンの街を歩き回り、ウィーンの歴史や文化をおもいっきり堪能した濃い一日でした!

修士2年 林原
2012.10.02
こんにちは。
札幌は日が短くなり、ぐっと秋を感じるようになりました。
新学期を迎え、卒論や修論にも焦りが見え始めています・・・

報告が送れましたが、8月下旬から9月の初旬まで道内様々な市町村へ調査に行ってきました!
今年度前期の研究室ゼミでは「2030年の北海道の地域の自立」をテーマにどのような自立像がありうるか?といったことを議論してきました。
議論を深めていく中で、地域の経済や人々の生活を成り立たせる「産業」や「コミュニティ」、3.11後大きく注目されるようになった「エネルギー」を地域内で創出し、それらを関連付けながら地域内で人、生産物、資源、エネルギー、金を好循環させていくことが、「地域の自立」につながるのではないかという結論にいたりました。
そこで様々な都市構造や特徴をもつ市町村を対象に「産業」「コミュニティ(生活)」「エネルギー」を軸とした具体的な「地域の自立像」を模索しました。

そして、現在北海道庁において検討中の「次世代北方型居住空間モデル構想」においても、このような考え方をもとに北海道の持続可能な地域づくりが模索されており、今回は道庁の調査に同行させていただくこととなりました。
道内で地域資源を活用しながらエネルギー政策や産業政策、コミュニティ政策に取り組んでいる事例となるような地域に実際に足を運び、役所担当者の方へのヒアリングとエネルギー、産業施設の見学をして参りました。
調査へ行った市町村はニセコ町、中標津町、別海町、帯広市、鹿追町、恵庭市、下川町、稚内市、天塩町、厚真町の10市町村です。

8月6日 ニセコ町
ニセコ町役場でニセコ町が現在取り組んでいる他分野の施策についてヒアリングした後、地中熱ヒートポンプや雪氷冷房が導入されているニセコ高校の実習施設、地中熱ヒートポンプが導入されている町民センターなどを見学させていただきました。
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8月28日 中標津町
空気熱暖房や廃乳熱を活用した水耕栽培農業施設やきのこ生産施設を見学しました。
酪農業が主産業である中標津町では酪農業から出た熱や残渣などを資源として、新たに農業を行い、雇用の機会や新たな地域生産品・ブランド品を創出する試みが行われていました。
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8月29日 別海町
別海町役場農協の方にヒアリングさせていただいた後、大規模酪農家やバイマスエネルギー施設の見学をしました。
牛乳生産量日本一である別海町では、酪農家からでる糞尿や乳製品加工業から出る残渣からバイオガスを生産し、そのエネルギーを酪農家の各戸や町内で活用する取り組みが行われていました。
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8月30日 帯広市
環境未来都市を掲げる帯広市では、環境やエネルギーに関するさまざまな取り組みが行われていました。
なかでも、緑地帯によリ市街化拡大抑制を行うと同時にまちに豊かな自然とコミュニティ環境を創出している帯広の森や、街区内で自然エネルギーを生産と共有をはかるエコタウンなどを見学させていただきました。
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8月31日 鹿追町
鹿追町でもバイオマスプラントを見学させていただき、町内の酪農家から収集した糞尿をバイマスエネルギー(ガス・電気)として転換して活用するほか、エネルギー生産時の廃液を牧草生産の堆肥として利用するなど町内の資源を積極的な活用と循環が伺えました。
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9月3日 恵庭市
恵庭市では優良田園住宅地整備による人口流入の取り組みや都市廃棄物処理時の熱利用、残渣の堆肥化の取り組みなどについて伺いました。

9月5日 下川町
研究室ゼミでも何度も事例として取り上げさせていただいていますが、ヒアリングと見学は今回が二度目です。
森林資源と林業を最大限に活用し、エネルギー生産や地域生産品のブランド化、住宅地整備、森林整備など町内のさまざまな分野へと波及させている取り組みについてのヒアリングと町有林、木チップ化施設,
木材加工施設等を見学させていただきました。
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9月6日 稚内市
メガソーラーやウインドファームなど大規模な再生可能エネルギー生産施設のある稚内市では、発電エネルギーの活用・管理の仕組みや観光への活用に関する取り組みなどについて伺いました。
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9月7日 天塩町
牧草の廃ラップを活用したエネルギー生産の取り組みや植林等による河川・海洋環境整備の取り組み等についてヒアリングさせていただいた後、環境農家の共同の糞尿堆肥化や建設業者による飼料生産施設等を見学しました。

9月10日 厚真町
市街地部コンパクト化による都市基盤・地域エネルギー施設の集約化や宅地整備による移住促進の取り組みに等ついてヒアリングさせていただいた後、住宅地の見学をさせていただきました。

以上のように道内の市町村において、地域資源や環境を活かしながら様々な取り組みが行われており、それに対する管理運用面や施策に関する課題も聞くことができました。
今回の調査結果をもとに、産業・生活・コミュニティ・環境・エネルギーに関するこれらの取り組みをうまく組み合わせながら、地域資源を有効に活用し、持続的な地域づくりの足がかりとなるような地域の自立像の検討をさらに深めていきたいと考えております。
この結果を卒業論文や修士論文の形でまとめ、先ではありますが、2月にはこのような構想をまとめたシンポジウムも開催予定です。

お忙しい中調査にご協力いただいた各市町村の方々のご厚意を無駄にせぬよう、北海道の地域に還元できるような研究を今後も続けていきたいと思います!


そして番外編・・・
調査では道内あちこちをめぐり、土地のおいしいものを頂き、雄大な自然環境や生産環境を望み、北海道の魅力を再確認しました!
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修士2年 林原麻莉
2012.07.26
昨年9月から計画し、実測、内装デザイン、施工・・・とお手伝いさせていただいていた「苗穂カフェ」が7月13日にオープンしました!!!

研究室有志メンバーが4講OBの近藤さん、大島さんとご一緒させていただきカフェのコンセプト決めから始まったこのプロジェクト・・・
実測の様子
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解体の様子
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内装デザインの様子
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メンバー不足で、なかなかお手伝いできず、ご迷惑をおかけしながらも・・・
近藤さんを始め、苗穂地区の住民の方や企業の方などさまざまな方のアイディアと力が集まり、とうとう完成しました!!!

内装は工事には地元の企業や職人さん方の資材とご尽力によって、思い描いていた通りの暖かみがあり、ちょいダサな空間となりました!(ちょいダサが苗穂カフェの空間コンセプトです)
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二階はまちづくり協議会の事務所と自由に使える和室
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ファサードは大島さんデザインです。
既存のファサードを活かしながらシンプルに、かつちょいダサに!
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ロゴは私たちが考えました!!!
3102_327007917388069_22995351_n.jpg苗穂の家にみんながあつまり、ここで活動や人やまちづくりの力が育って欲しいという願いを込めています。
家の窓に「苗の田の字」を当て、後ろのアイコンはみんなで育てる「苗」と「穂」という意味です。


さくっと考えたイラストがそのままロゴになってしまいましたが・・・みなさんに愛着の持っていただけるロゴになったかな思います。

カフェの完成がゴールではなく、ここから苗穂内外の方々が集い、語り合い、活発に活動し、文化やコミュニティを創造し、よりにぎやかで趣のあるまちになってほしいと思います!!!

このプロジェクトでは計画〜設計〜施工と全行程に関わらせていただき、学生のアイディアを積極的に取り入れていただきました。
よって、私たちにとっても大変思い入れが深く、愛着のあるものとなっています。
近藤さんや大島さんを始め、関係者の方々に大変感謝しております。
今後もこの場を活かしながら、苗穂のまちづくりのお役に立てればと思います。

ぜひ、皆様もお立ち寄りください!!!!

苗穂カフェ
札幌市中央区北2条東11丁目23
※駐車場はございません。公共交通等をご利用ください。
Tel.011-231-9055
10:00-19:00(ランチは平日11:00-13:30、土日はランチ休み)
●メニュー
・ランチ:600円(20食限定)
・ケーキセット(ケーキ&ドリンク):600円
・ケーキ単品:400円
・ドリンク(コーヒー、紅茶、ソフトドリンク):300円
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おいしいケーキやランチもあります!

こちらもチェックしてみてください!
ノーザンクロスHP
http://www.northerncross.co.jp/?p=11

苗穂カフェFaceBook
https://www.facebook.com/NaeboCafe
 
修士2年 林原麻莉
2012.07.06

こんにちは。
更新が遅れてしまいまいましたが、北見中央図書館基本設計協議会についてのご報告をさせていただきます。
今回は先月に引き続き2回目の設計協議会です。1回目のワークショップを受けて再検討された図面をもとに、より詳細な議論が展開されました。
今回議論の中心となったのは、
○中央プロムナードと図書館との連結のさせ方
○吹き抜け空間の作り方
○児童コーナーの空間構成の仕方
○地域情報発信としての図書館の在り方
といったものでした。下の写真は、ワークショップを行ったテーブルごとに、
住民の方々から聞いた意見をまとめ発表している様子です。
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今回も地域の方々と議論を交わすからこそ得られるような細かな情報が得られました。
また、ひとつひとつの発言に、地域のため・みんなのための図書館を作るんだという市民の方々の強い意志がうかがえました。その思いに強く感銘を受けるとともにそのような地域の期待を背負った施設をつくる過程の中に関わらせていただいていることに対する責任感も感じました。
 
今回の議論を受けておおよその基本設計がまとまる予定です。

文責:岡部
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北海道大学大学院 工学研究科 都市地域デザイン学研究室
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