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北海道大学大学院工学研究科 「都市地域デザイン学研究室」の学生によるブログです。

2025.05.20
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2012.10.02
こんにちは。
札幌は日が短くなり、ぐっと秋を感じるようになりました。
新学期を迎え、卒論や修論にも焦りが見え始めています・・・

報告が送れましたが、8月下旬から9月の初旬まで道内様々な市町村へ調査に行ってきました!
今年度前期の研究室ゼミでは「2030年の北海道の地域の自立」をテーマにどのような自立像がありうるか?といったことを議論してきました。
議論を深めていく中で、地域の経済や人々の生活を成り立たせる「産業」や「コミュニティ」、3.11後大きく注目されるようになった「エネルギー」を地域内で創出し、それらを関連付けながら地域内で人、生産物、資源、エネルギー、金を好循環させていくことが、「地域の自立」につながるのではないかという結論にいたりました。
そこで様々な都市構造や特徴をもつ市町村を対象に「産業」「コミュニティ(生活)」「エネルギー」を軸とした具体的な「地域の自立像」を模索しました。

そして、現在北海道庁において検討中の「次世代北方型居住空間モデル構想」においても、このような考え方をもとに北海道の持続可能な地域づくりが模索されており、今回は道庁の調査に同行させていただくこととなりました。
道内で地域資源を活用しながらエネルギー政策や産業政策、コミュニティ政策に取り組んでいる事例となるような地域に実際に足を運び、役所担当者の方へのヒアリングとエネルギー、産業施設の見学をして参りました。
調査へ行った市町村はニセコ町、中標津町、別海町、帯広市、鹿追町、恵庭市、下川町、稚内市、天塩町、厚真町の10市町村です。

8月6日 ニセコ町
ニセコ町役場でニセコ町が現在取り組んでいる他分野の施策についてヒアリングした後、地中熱ヒートポンプや雪氷冷房が導入されているニセコ高校の実習施設、地中熱ヒートポンプが導入されている町民センターなどを見学させていただきました。
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8月28日 中標津町
空気熱暖房や廃乳熱を活用した水耕栽培農業施設やきのこ生産施設を見学しました。
酪農業が主産業である中標津町では酪農業から出た熱や残渣などを資源として、新たに農業を行い、雇用の機会や新たな地域生産品・ブランド品を創出する試みが行われていました。
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8月29日 別海町
別海町役場農協の方にヒアリングさせていただいた後、大規模酪農家やバイマスエネルギー施設の見学をしました。
牛乳生産量日本一である別海町では、酪農家からでる糞尿や乳製品加工業から出る残渣からバイオガスを生産し、そのエネルギーを酪農家の各戸や町内で活用する取り組みが行われていました。
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8月30日 帯広市
環境未来都市を掲げる帯広市では、環境やエネルギーに関するさまざまな取り組みが行われていました。
なかでも、緑地帯によリ市街化拡大抑制を行うと同時にまちに豊かな自然とコミュニティ環境を創出している帯広の森や、街区内で自然エネルギーを生産と共有をはかるエコタウンなどを見学させていただきました。
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8月31日 鹿追町
鹿追町でもバイオマスプラントを見学させていただき、町内の酪農家から収集した糞尿をバイマスエネルギー(ガス・電気)として転換して活用するほか、エネルギー生産時の廃液を牧草生産の堆肥として利用するなど町内の資源を積極的な活用と循環が伺えました。
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9月3日 恵庭市
恵庭市では優良田園住宅地整備による人口流入の取り組みや都市廃棄物処理時の熱利用、残渣の堆肥化の取り組みなどについて伺いました。

9月5日 下川町
研究室ゼミでも何度も事例として取り上げさせていただいていますが、ヒアリングと見学は今回が二度目です。
森林資源と林業を最大限に活用し、エネルギー生産や地域生産品のブランド化、住宅地整備、森林整備など町内のさまざまな分野へと波及させている取り組みについてのヒアリングと町有林、木チップ化施設,
木材加工施設等を見学させていただきました。
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9月6日 稚内市
メガソーラーやウインドファームなど大規模な再生可能エネルギー生産施設のある稚内市では、発電エネルギーの活用・管理の仕組みや観光への活用に関する取り組みなどについて伺いました。
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9月7日 天塩町
牧草の廃ラップを活用したエネルギー生産の取り組みや植林等による河川・海洋環境整備の取り組み等についてヒアリングさせていただいた後、環境農家の共同の糞尿堆肥化や建設業者による飼料生産施設等を見学しました。

9月10日 厚真町
市街地部コンパクト化による都市基盤・地域エネルギー施設の集約化や宅地整備による移住促進の取り組みに等ついてヒアリングさせていただいた後、住宅地の見学をさせていただきました。

以上のように道内の市町村において、地域資源や環境を活かしながら様々な取り組みが行われており、それに対する管理運用面や施策に関する課題も聞くことができました。
今回の調査結果をもとに、産業・生活・コミュニティ・環境・エネルギーに関するこれらの取り組みをうまく組み合わせながら、地域資源を有効に活用し、持続的な地域づくりの足がかりとなるような地域の自立像の検討をさらに深めていきたいと考えております。
この結果を卒業論文や修士論文の形でまとめ、先ではありますが、2月にはこのような構想をまとめたシンポジウムも開催予定です。

お忙しい中調査にご協力いただいた各市町村の方々のご厚意を無駄にせぬよう、北海道の地域に還元できるような研究を今後も続けていきたいと思います!


そして番外編・・・
調査では道内あちこちをめぐり、土地のおいしいものを頂き、雄大な自然環境や生産環境を望み、北海道の魅力を再確認しました!
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修士2年 林原麻莉
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北海道大学大学院 工学研究科 都市地域デザイン学研究室
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