忍者ブログ

urban4-blog

北海道大学大学院工学研究科 「都市地域デザイン学研究室」の学生によるブログです。

2024.04.26
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011.07.25
前回の更新に引き続き、東日本大地震被災地の都市移転・集約に関する調査
の7月1日以降の日程についてご報告致します。

日程
7月1日(金)岩手県庁の方と意見交換会、奥尻大津波復興計画についての発表
7月2日(土)気仙沼市、石巻市、南三陸町
7月3日(日)仙台市名取地区

7月1日(金)は、午前中に、岩手県庁に訪問し、意見交換会を行いました。
内容としては、岩手県各市町村の復興スケジュール及び現状を報告していただいた後、
復興に向けた各市町村の合意形成に関する話や、計画を進める上での建築制限をどのように制限していくか、国の具体的の方針が決まらない中で、県としてはどのように計画を進めていくべきかなど多岐にわたる内容の意見交換を行いました。私たち学生は、後ろでお話しを聞くことしかできませんでしたが、大変貴重なお話しを聞かせていただきました。

5d69ec20.jpeg






午後からは、復興まちづくりセミナーと題して、岩手県の各市町村の復興に携わっている方々が参加する勉強会が行われました。
講演として、まず、瀬戸口先生より
「北海道南西沖地震で被災した奥尻町の復興計画とその後の状況」
の講演があり、また当時、奥尻町の復興計画で計画の指揮を執られた紺野様より
「北海道南西沖地震・奥尻町青苗地区災害復興計画と初期対応について」
の講演が行われた後、各市町村の方々と意見交換会が行われました。

562ba3b1.jpeg505b1cf5.jpegc0cb72b5.jpeg



7月2日(土)は気仙沼市、南三陸町、石巻市を視察しました。
まずは、気仙沼市を視察しました。
気仙沼市といえば、特定3種漁港にも指定されている、国内でも有数の漁獲高を誇る漁港ですが、倉庫が建ち並んでいたと思われるエリアは見渡す限り瓦礫で、辺りは大規模に水没していました。
港の巨大なコンクリートの塊が柱から落ちている様子や、真っ黒に漕げた舟が衝撃的でした。

8a45e158.jpegIMG_3841.JPG








そういった状況の中でも、地元の商店では復興に向けて、
商店の営業を再開している様子も見られました。

d59e517a.jpeg










次に南三陸町に向かいました。
街の中心部の病院やスーパー、官庁関連の建物以外は建物の基礎だけを残す光景が広がっており、まだ、瓦礫処理の状況も目立って、進んでいない状況でした。巨大な防潮堤が破壊されている様子は印象的でした。
JRが走っていた場所もレールが津波流され、地図と照らし合わせながらで、やっと線路が走っていた場所を確認できる状態でした。
IMG_3957.jpg4d1f1d85.jpegR0010477.jpg












建物の中を整理していた、住民の方にお話しを伺ったところ、その方は、当日は、地震後、「これは津波が来る」と思いすぐ高台にある学校に非難したため助かったとのことでした。
海岸近くに住む人達は、普段からそういった意識は習慣づいているため、助かった人が多く、今回被害に遭われた方は、むしろ、内陸の方が多かったそうです。

IMG_3952.jpg









 お話しを伺った人の職場


次に、石巻市に向かいました。
石巻市は、人口約16万人の街ですが、市街地の46パーセントが水没するといった、今回視察した中でも、もっとも被害があったところです。市街地では、火災の後が多く見られ、焦げ臭い匂いが漂い、また、所々では、地盤沈下が顕著に見られました。
写真は、高台から見た石巻の海側の市街地の写真と火災にあった小学校です。
IMG_3982.jpgIMG_3983.jpg








この日はここで、日没を迎え、仙台市内へと移動しました。

7月3日は、宮城県名取市を視察しました。
名取市は仙台市から、車で20~30分ぐらいのところにある市です。
中心部から海に向かって車を走らせていると、水田や畑に瓦礫が散乱している光景が広がり、さらに、海に近づくと、基礎だけの状態となってしまった真新しい住宅地が広がってきました。
比較的、瓦礫の除去が進んでいたため、一面に広がる住宅の基礎と、遠くに残された松林が印象的でした。
IMG_3996.jpgIMG_4009.jpgIMG_4032.jpg













最後に、運行を再開したばかりの仙台空港に寄り、今回の視察を終えました。

IMG_4060.jpg








仙台空港に飾ってあった千羽鶴



最後になりますが、今回の視察に同行させていただき、貴重なお話しをさせていただいた
紺野様、中村様、心よりお礼申し上げます。
研究室一同、今回の視察を糧にし、今後の建築や都市計画に携わって行ければと考えております。


復旧から復興に移りつつある現在も、解決すべき課題はまだ残っているかもしれませんが、
被害に遭われた多くの人々の、少しでも早い、復興を心よりお祈り申し上げます。

修士2年 山田
PR
Trackback
この記事のトラックバックURL:
  BackHOME : Next 
プロフィール
HN:
北海道大学大学院 工学研究科 都市地域デザイン学研究室
ブログ内検索

urban4-blog wrote all articles.
Powered by Ninja.blog / TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]