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北海道大学大学院工学研究科 「都市地域デザイン学研究室」の学生によるブログです。
今年も、研究室一同研究やプロジェクト等、全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。
さて、新年最初の投稿は、9月の欧州研修の報告の続きです。
9/22には、チェコのプラハにやってきました。
プラハは、大戦中の戦火を免れたため、多様な時代、様式の建築が混在しています。
そこから、「建築の博物館」とも言われています。
到着すると、色々な建築から構成される街並がお出迎え。
市民会館や時計塔を過ぎて、
カレル橋を渡って、モルダウ川の対岸のプラハ城へ向かいます。
チェコは、今回行った都市の中で、一番観光客が多かったのですが、
このカレル橋は一番人が多く、何度も迷子になりました。
橋の上のこの像にさわると、幸せになれるらしいです。
松田くんに幸あれ!!!!
そしてどんどん登っていくと
絶景!!!!町を一望できます。
ロココ様式のプラハ城。
ゴシック様式の聖ヴィート教会。
ステンドグラスや細かい装飾に、ただただ圧倒されます。
今度は違う橋を渡って、再び対岸へ。
夕日に浮かぶカレル橋は、バロコ様式です。
先生に、色々と教えてもらいながら、次はユダヤ人地区の建築を見にいきました。
これまでの街並とは、全く違います。
夜になり、市庁舎へ戻り先生おすすめのレストランへ。
チェコと言えば、チェコビールで乾杯。
そして、この日は林原さんの24歳の誕生日でした!!!!
生演奏でHappy Birthdayを歌ってもらいました。
忘れられない誕生日になったのではないでしょうか。
プラハは、他の都市に比べて観光客が多いせいか、夜が長く、夜景もとてもきれいでした。
このティーン教会は、ルパン3世のカリオストロの城のモデルになっているそう。
プラハでは、様々な様式の建築を一度に沢山みることが出来て、とても勉強になりました。
教科書で習ってきたような、様式によって全く違う、構造、装飾など、
それを一気に間近で見ることができて、貴重な学びの時間になりました。
次は最後の国、ドイツ編へ続きます。。。
修士2年 長尾美幸
これは、研究室の研究テーマの一つである「新エネルギーによる地域の自立」の先進事例としてヒアリングと現地調査のためです。
この地域は1980年頃まで、産業が衰退しており、住民の7割は都心部に出稼ぎに出ていたほど疲弊した地域であり、オーストリアで最も貧しい地域と言われていました。
そこで、地域外へ流出していたエネルギーへの支出を抑え、地域内でエネルギーを生産・活用する事で、地域内で経済や資源を循環しながら、地域の産業や雇用を創出し、地域の活性化や地域の自立を目指す取り組みを始めました。
具体的な取り組みとしては・・・
ギュッシング市では、市内にバイオマスプラントを建設しました。周辺の木材加工端材や林地残材を原料とした木質バイオマスによる熱、電気、ガスの生産を行っています。
ここで生産された熱は、公共施設や一般家庭に接続した総延長35kmの地下配管によって地域熱供給され、市内熱使用量の95%が自給されています。
これと同時に、バイオマスプラントの近郊に木材関連の工場を50社も誘致し、安定的な原料供給と熱利用を行う仕組みを確立しました。
このような一連の取り組みによって、エネルギー産業や林産業の雇用を生み出し、地域への定住を促進しました。
隣のウルバースドルフ村という人口300人の小さな村では、住民で共同組合を立ち上げ、地域の木材と太陽熱を原料とした熱生産を行い、地域熱供給を行っています。このエネルギー施設は組合に加入する住民で管理し、原料調達も住民が仕事や副業として行っています。
これにより、家庭の高熱費は圧倒的に安くなり、雇用も創出するなど、疲弊した集落に大きな効果をもたらしました。
その隣のシュトーレン村では、酪農・畜産業の廃業によって広大に残された遊休農地を活用して、牧草や穀物を生産し、それを原料とバイオガスの生産をしたり、先と同様に林地残材などを原料とした熱を生産し、地域内に供給しています。
ここでも同様に雇用が創出されたり、家庭の光熱費の軽減につながるほか、遊休農地の効果によって環境保全にもつながっています。
こういった各地域における一連の取り組みによって、今まで域外に流出していたエネルギーにかかる支出は、エネルギー売買などにより、収入源となり、地域の大きな産業として確立しています。地域資源を有効に活用し、地域のエネルギー源にするほか、それを産業として活用したり、既存産業の活性化を図ったりと多方面に効果をつなげようとしている様子がうかがえました。
このような取り組みのサポートやエネルギー技術の研究、コーディネートをする機関である、ヨーロッパエコエネルギーセンターの方に意見交換や現場見学のお世話をしていただきました。
英語でのヒアリングや説明に戸惑いながらも、たくさん学ばせていただきました。
イニシャルコストの問題や技術の問題など多くの課題はあるようですが、地域資源から新たな価値を生み出す姿勢や、地域が一体となって、環境を保全し、エネルギーを共有する姿勢は大変参考になりました。
北海道でこのような取り組みがそのまま適応できるわけではありませんが、このような仕組みや姿勢を参考にしながら、北海道版新エネルギーの活用による地域の自立を今後も検討していきたいです。
修士2年 林原
9月19日チューリッヒからウィーンに到着し、この日はオペラ座でバレエ鑑賞をしました。
本場オペラ座における生演奏とバレエに一同興奮しました。
そしてウィーンでの滞在は、アールヌーボーのアパートメント!!!
お姫様みたいなお部屋にうかれました。
夜ご飯はウィーンの名物料理のウィナーシュニッツェルなど…
翌20日はウィーンの建築を巡りました。
ウィーンは歴史的な建築から近代、現代の建築までさまざまな建築が混在する街でした。
歴史的な建築としてはシェーンブルン宮殿や世界一美しい建築と言われる国立図書館
近代建築は、オーストリアの建築家であるオットーワグナーの建築を中心に見学しました。
郵便貯金局
カールスプラッツ駅
セセッション
無駄のない装飾と、機能的な空間づくりをしながらも豊かな空間と外観を創り出しているように感じました。
その他はガウディの作品にも似たフンデルトヴァッサー邸なども・・・
その後はホテルザッハーで本場のザッハトルテを堪能したり、街を歩き回りました。
ウィーンのまちは白〜クリーム色で彫刻の施された壁面がきれいに並んでいたまちなみが大変印象的でした。そんな中、再開発の最中であるガラス張りのウィーン中央駅があったりと、歴史的な街並の中に現代的なガラス張りのビルが所々で現れ、大都市としての風貌も見せていました。それがなぜが違和感なく馴染んでいる事が不思議でしたが・・・
卒論が無事終わりましたが、M2は修論、M1は就職活動、UG4は卒業設計とまだまだ慌ただしい研究室です。
外は大雪でかなり雪が積もってきています。
大変遅くなりましたが、修士2年が10月中下旬、欧州研修でスイス、オーストリア、チェコ、ドイツを視察してきましたので、ご報告させていただきます。
この研修の主な目的は、研究室の研究である"地域の自立"、"コンパクトシティ"の先進事例であるギッシング、ライネフェルデを訪れヒア
リング、現場視察を通してその知見を得るというものです。
また多くの建築、都市に触れ、時代時代の潮流を身を以て理解することも研修の大きな目的です。
前置きが長くなりましたが、旅の順序に沿って写真と共にご紹介していきます。
まずはスイスから。
チューリッヒ国際空港には夜に着き、次の日の朝にチューリッヒ市内を5講座ドクターの大脇さんに案内していただきました。
最初に案内していただいたのが、チューリッヒ市の巨大な都市模型です。
1/1000で現された模型は、一目で都市の動きを把握できる工夫がなされています。
木の模型の中に見られる幾つかの石膏の模型は、現在進行中のプロジェクトのものだそうです。また、この都市模型は細かく分割することができ、プロジェクトの協議などでは建築模型と共にこの都市模型も用いながら議論を重ねていくそうです。
このポールの先端に赤い標がありますが、これは建設予定の建物の高さを現すものです。近隣住民と共有するツールになるとともに、住民の多くが建物の高さに異議を申し立てれば計画にフィードバックされる仕組みが確立されているそうです。
チューリッヒ市内の建築も教会から現代建築まで多く見学することができました。
晩はお世話になった大脇さんと美味しい馬肉のステーキを頂きました。
大脇さんありがとう御座いました。
2日目からは首都ベルンに移動しました。
ベルンはオリーブ色の建物で統一されていますこれは近くで採れる石で造られているそうです。
町中を歩いると、通り沿いに見えるポルティコは多くの歩行者が利用しており、独特の賑わいをつくり出していることがわかります。
ベルンには多くの広場があり巨大チェスをしている人がいたり、ゲリラ的にイベントを行ったり、憩いのスペースとして利用されていたり多様な使われ方をしています。
4日目はローザンヌへ移動し、SANAA、小さな家を目指します。
残念ながら小さな家は閉まっており、塀の隙間から覗き込み、雰囲気を掴むことしかできませんでした。
5日目からはスイス最後の都市アンデルマットを目指します。
アンデルマットは皆さんがイメージされるザ・スイスですね。泊まったホテルにもヨーゼフのような大きなセントバーナードを飼っていました。
さて、アンデルマットを目指した理由は、ズントーの建築をみるためです。
辺鄙な所に立っていますので、1日1つペースで建築を見るという贅沢な時間の使い方をしてしまいました。
働いてからでは絶対にできない時間の使い方ですね。
無人駅から更に1時間ほど登ったところにありました。
光の使い方、素材の使い方、プロポーション全てが洗練され感動する空間ができることを強く実感しました。
こちらも美しい。光の強さ、指向性の強弱で空間が幻想的に感じられます。
ただ、入浴料5000円弱は日本人には理解できない高さでした。
かなり大まかにスイスの旅を振り返りましたが、多くの建築、都市を見ることができ、本当に良い経験ができました。
長々と失礼致しました。
M2佐藤
雪もしっかりと根付いた季節になってきました。
スケートリンクと化した北大のメインストリートでは
あっちでツルン、こっちでツルン、と人々が滑り転がっております。
さて、12月3日は卒論発表会でした。
先輩方に何度も発表練習を見ていただき、
足がガクガクと震え、口がカラッカラに乾きながらも
全員無事発表を終えることが来ました。

発表の合間の昼休みでは永島さん、渡部さんから頂いたお酒の差し入れに4年生全員で感謝し、
午後から発表の学生もいる中、早速飲みました。とてもおいしかったです。
永島さんからのお手紙には感動して泣いている学生もいました。
全員発表のあとは、待ちに待った打ち上げ!焼肉!
卒論からの解放感を徐々に感じながら
小篠先生との記念撮影。
カルビ10人前を2,3回頼み、私達の胃袋が満たされたところで
二次会→カラオケと続き、
今までの日常では考えられないような時間を過ごすことができました。
また手直しなどがあると思いますが、
ここで卒業論文に一区切り打つことができました。
私達がこの日を迎えることができたのは、
指導してくださった瀬戸口先生、小篠先生、
そして、ずっとずっっっっっっと叱咤激励してくださった
M1、M2の先輩方、岩浪さん、
差し入れや手紙で私たちの生活までもささえてくださったOBの方々、
また、本調査に携わっていただいたすべての方々のおかげです。
本当にありがとうございました。
それから、大学に入ってこんなに自分にとって勉強になる論文が書けたのは
お父さんとお母さんのお力添えがあってのことです。
本当にありがとうございました。
卒業論文で得たものはあまりにも大きくて重たくて、
消化不良の部分が多々ありますが、
4月に後輩が入ってくるまでには
しっかりと自分のものにしていきたいです。
そして、卒業論文が終わったということは
卒業設計が本格的に始まるということですね。
世界一目指してがんばります!
文責 尾門